ホテルで働く― 仕事内容と必要な在留資格
🔗You can read this article in English here
日本を訪れる外国人が増えているので、英語だけではなくさまざまな言語スキルが必要な求人があります。
今回の記事では、外国人がホテルや旅館で仕事をする方法を紹介します。
※在留資格に関する情報は2024年9月作成時点のものです
ホテルや旅館の求人が増えている背景
最近は海外からの観光客が増えています。そのため、ホテルや旅館では英語など日本語以外の言葉で接客ができるスタッフを採用したい企業が増えています。
さらに日本では働く人の数が減っていることから、特定技能のような外国人向けの求人も増えています。
外国人がホテルで働くための在留資格
外国人がホテルで働くには仕事内容によって必要な在留資格が異なります。
※永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者の配偶者のような「身分に基づく在留資格」は、どんな仕事でも働けます。
技術・人文知識・国際業務
「技術・人文知識・国際業務」とは、専門知識や、感受性が必要な業務ができる在留資格です。エンジニアや通訳、デザイナー、マーケティングなどの専門性を活かせます。
接客業のお仕事の例では、ホテルで通訳業務があるサービススタッフなど、日本語や英語など言語スキルが必要な仕事が多いです。
同じホテルの仕事でも、食事を出すだけ、部屋を掃除するだけのような業務内容は、「技術・人文知識・国際業務」では認められません。
＜在留資格の取得条件＞
日本、もしくは海外の大学・大学院・短期大学の卒業資格か日本の専門学校の卒業資格が必要です。ただし、外国の大学や大学院、短期大学の場合は「日本の大学卒業に相当する」という証明書が必要です。海外の専門学校は認められません。
学歴の条件を満たせない場合は、3～10年の実務経験が必要です。
特定活動46号
特定活動46号とは、日本の4年制大学か大学院を卒業した留学生が「技術・人文知識・国際業務」に当てはまらない職種に就ける在留資格です。
ホテルや旅館の場合は、主な仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」に当てはまらない場合に必要とされます。
ただし、「特定活動46号」は取得する条件が厳しい資格です。取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 日本の4年制大学もしくは大学院を卒業・修了
- 日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を獲得
出典：出入国在留管理庁「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」
特定技能「宿泊」
特定技能「宿泊」とは、ホテルや旅館のフロント業務・企画・広報業務・接客業務・レストランサービスなどの業務に就くことができる在留資格です。
特定技能には、1号と2号があります。
1号：特定産業分野で働くことができる
在留期間：合計5年間
家族を連れてくること：できない
2号：特定の産業で仕事のリーダーができる
在留期間：上限なし
家族を連れてくること：できる
＜注意すること＞
ホテルや旅館のレストランや厨房で調理を主な仕事にする場合は、特定技能の「調理」を取得する必要があるので気をつけましょう。
出典：出入国在留管理庁 特定技能総合支援サイト
留学生もアルバイトとして働ける
ホテルや旅館の仕事は留学生がアルバイトとして働けます。資格外活動の許可を取ったら、1週間で28時間までアルバイトができます。
（長期休みの期間は1日8時間までアルバイトができます）
出典：出入国在留管理庁 留学-学費及び生活費について
応募からお仕事開始の流れ
ここでは、日本で働いている外国人がホテルや旅館に転職するまで、どのようなステップで進むのか紹介します。
1.求人に応募する
日本で仕事を探すには、以下の方法があります。
- ハローワークを利用する
- 外国人専用の相談窓口を利用する
- 求人サイトを利用する
- 派遣に登録する など
転職先がなかなか決まらない、自分ができる仕事が何かわからなくて困っている場合は、派遣会社に登録するというのも一つの方法です。
派遣会社に登録すれば、あなたの経験やスキルに合った仕事を紹介してもらえます。
2.面接に参加する
応募書類が通過したら、面接に参加します。
詳しい情報はこちら：日本での面接：印象が良い服装とマナー
3.内定後に出入国管理局で手続き
転職をして仕事が変わるときは、出入国在留管理庁で手続きが必要です。
在留資格が変わるなど、状況によって手続きの仕方が違いますので注意しましょう。
詳しい情報はこちら：日本で転職：外国人が考えるべきこと
4.お仕事の開始
ほとんどの職場では、お仕事が開始してから数日～数週間は研修期間です。
仕事内容や専門用語など、覚えないといけないことがたくさんあります。
必ず、メモとペンを持っていくようにしましょう。
また、わからないことがあったら、すぐに先輩に聞くようにしましょう。
最後に
いま日本ではホテルや旅館など接客業の求人が増えています。
日本語と英語などの語学力を活かすことができるので、たくさんの外国人が活躍しています。
ホテルや旅館で働くと、季節ごとのイベントや料理など、日本独自の文化にふれることができます。日本の文化を学びたい人にはぴったりです。
在留資格によって働ける業種が異なるので、お仕事を探すときは、注意してくださいね。
