日本の医療サービスの利用方法
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日本の医療サービスは、もちろん外国人も利用できます。
日本の医療は、医療費の負担が少ないこと、質が高いことでも有名です。
日本と外国では、医療サービスの利用方法に違いがあります。
そのため、外国人が日本の医療を利用するとき、わからないこともあると思います。
この記事では、外国人が日本で医療サービスを利用したいときに知っておくべき基本的なことから、利用方法について紹介します。
日本の病院について
病院とクリニック
日本の医療機関は、一般的に「病院」と「クリニック」に分けられます。
病院
病院は、病床(ベッド)の数が20人以上ある施設のことです。
その中でも、総合病院や国立病院、大学病院などの種類に分けることができます。
症状が重い人、すぐに手当てが必要な人や高い技術の医療が必要な人が利用します。
診療所・クリニック・医院
病床(ベッド)の数が19人以下の施設のことを診療所(しんりょうじょ)、クリニック、医院といいます。
体調不良が始まったばかりのときや軽いケガのときは、まずはこれらの医療機関に行きましょう。
もし、さらに検査が必要ということになれば、医師から病院へ行くようにと話があります。
そのときは、「紹介状」という紙を渡されます。その紙には、これまでの症状や治療が書かれます。
診療科目(しんりょうかもく)の種類
病気やケガの症状によって、受診する科目が違います。どんなときに利用するか、例を紹介します。
内科(ないか)
- 風邪のような一般的な体調不良のとき
- 消化器や呼吸器など内臓の病気を治療するとき
- インフルエンザの予防接種をしたいとき など など
皮膚科(ひふか)
肌がかゆい、ニキビが治らないなど、皮膚に気になる症状があるとき など
眼科(がんか)
- 目が痛いなど、目に気になる症状があるとき
- コンタクトレンズを買うとき など
産科・婦人科(さんか・ふじんか)
産科と婦人科は同じクリニックにあることもあります。
- 妊娠したとき(定期検査から出産まで)
- 生理不順など女性特有の悩みがあるとき
- 不妊治療をするとき など
小児科(しょうにか)
- 子どもが体調不良になったとき
- 子どもが予防接種を受けるとき
詳しい情報はこちら:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック第6章」P60
外国人が医療サービスを利用する時に注意しておくこと
医療費の支払い
日本に3ヶ月以上の滞在する外国人は、国民健康保険に加入しなければなりません。
保険に入っているかどうかによって、支払う金額が変わります。
加入している場合:3割負担のみだから、安く利用できる※
加入していない場合:全額負担だから、安く利用できない
※6歳以下の子どもと70歳以上の人は負担割合が変わります
国民健康保険の加入については、こちらの記事をご覧ください。
🔗 日本の健康保険 外国人が知るべきこと
どの医療機関にいくかを判断する
症状や緊急度の高さによってどの医療機関を利用するか決めましょう。
症状は軽いけど、医師に診察をしてもらいたいとき
クリニックや医院に行きましょう。
診療時間が過ぎているときは、夜間診療窓口を利用しましょう。
症状がひどく、緊急の治療が必要なとき
救急病院を利用しましょう。
救急病院は、365日24時間対応しています。
自分で行くか、動けない場合は救急車(119番)を呼びましょう。
救急車を呼ぶ方法は、以下の記事を参考にしてみてください。
🔗 日本での緊急時対応:外国人が知っておくべき連絡先と対処法
症状が軽く、医師に診察をしてもらうほどではないとき
近くのドラッグストアで薬が買えます。
薬剤師や薬に詳しい登録販売者いるので、自分の症状を伝えて、どの薬を買えば良いか相談しましょう。
また、治療について相談したいときは、相談窓口があります。
自分が住んでいる地域の相談窓口を探してみましょう。色んな国の言葉で利用できます。
厚生労働省:地域別の相談窓口(Information on Local Call Centers)
外国人のための医療サービスの利用方法
1.医療機関を探す
症状に合う医療機関を探しましょう。
もし、日本語でどうやって症状を伝えたらいいかわからないような不安があるときは、外国人の受け入をしている医療機関から選ぶといいでしょう。
下記のサイトで、近くの病院を検索できます。
厚生労働省:「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」について
観光庁:日本政府観光局(JNTO)ウェブサイト
2.予約する
病院によっては予約ができます。電話かインターネットで予約をしておくとスムーズに受診できます。
3.持ち物を準備する
病院へ行くときは、健康保険証とパスポートまたは在留カードなどの本人確認書類が必要です。
4.受付をする・問診票を書く
病院に着いたら、健康保険証を見せて受付をします。
そのとき、問診票(もんしんひょう)が渡されます。
問診票には、名前や生年月日、どんな症状があるのか、今飲んでいる薬はあるかなどを書きます。
5.診察を受ける
医師による診察と治療を受けます。
日本語が伝わりにくいときは、「症状・病状説明のための指差しシート」を使いながら伝えると良いでしょう。
観光庁:症状・病状説明のための指差しシート
また、もし薬が必要なときは、医師から処方箋(しょほうせん)をもらいます。
処方箋とは、必要な薬があるときに渡される、薬の内容が書かれた紙のことです。
この紙をもって、薬局に行きます。
6.会計をして、薬局に薬をもらいに行く
診察と治療が終わったら、受付で医療費を支払いましょう。
処方箋をもらったときは、近くにある薬局に行き、処方箋を見せて薬をもらいます。
薬の代金は、病院ではなく薬局で支払います。
最後に
外国人でも日本で医療サービスを利用することができます。
しかし、利用するときに困らないように、自分の国とは違う日本での利用の仕方を知ることが大切です。
それらを知っておくことで、もし病気にかかったとしても早めに対処することができます。
最後に、健康であることが一番大切です。
なるべく病院に行くことがないよう、日頃から体調管理に気をつけてくださいね。
よくある質問
1. 医療機関は24時間対応していますか?
多くのクリニックや病院では、一般的には日中だけ開いています。
診療時間が過ぎていれば、夜間に診療をしている医療機関を利用しましょう。
緊急の治療が必要なときは、救急車を呼びましょう。
2. 医師とのコミュニケーションはどうすればいいですか?
日本語が得意でないときや症状をうまく伝えられないときがあると思います。
そのようなときは、観光庁が出している「症状・病状説明のための指差しシート」や翻訳アプリを使ってみてください。
また、英語を話す医師や通訳を手配してくれる医療機関もあります。事前に確認しておくと安心です。