外国人が日本で翻訳の仕事をするために必要なスキルと在留資格
日本に住んでいる外国人の中には、「日本語と母国語を使って働きたい!」と考えている方もいるでしょう。なかでも、翻訳のお仕事に興味を持つ方も多いでしょう。
今回は、外国人が日本で翻訳の仕事をするために必要なスキルや、在留資格を紹介します。
外国人が日本で翻訳業の仕事をするには?
どこで働く?
日本で翻訳の仕事をするには、企業や団体に就職するか、起業またはフリーランスとして働く方法があります。在留資格のことを考えると、会社や団体に就職する方がおすすめです。
翻訳の仕事は、翻訳を専門にする企業だけではなく、一般企業や学校、医療機関などさまざまな職場で募集されています。
必要なスキルは?
日本語の翻訳をするなら、高い日本語スキルが必要です。スキルを証明するために、JLPT N1は合格しておくといいでしょう。
また翻訳の仕事は高い言語スキルだけではなく、専門知識も求められます。
例えば、法律の文章を翻訳するなら、日本の法律の知識が必要ですし、機械メーカーでマニュアルを翻訳するなら、機械の知識が必要です。
翻訳の種類
翻訳の求人には大きく分けて、産業翻訳・出版翻訳・映像翻訳があります。
どの仕事も、文章を翻訳して文章力や、場面に合った言葉を選ぶセンスなどが必要です。
ここでは、それぞれの翻訳の仕事について紹介します。
産業翻訳
産業翻訳は、ビジネス文書を翻訳します。企業や団体で必要な文章を翻訳します。
翻訳の仕事の中では最もニーズが高く、会社によっては専任の翻訳者を雇っている場合もあります。
翻訳する文書は契約書・社内資料・パンフレット・ニュースリリースなどさまざまな種類があります。
企業によっては外注する場合もありますが、社外に見せられない書類を翻訳する仕事も多いため、翻訳を担当する社員を採用する場合もあります。
産業翻訳を仕事にするには、語学力だけでなく翻訳する産業の知識も必要です。
医学に関する書類を翻訳するならば、医学に関する知識、ITに関する文章を翻訳するならITに関する知識が求められます。
出版翻訳
出版翻訳は、本などの出版物を翻訳します。出版社で働く方法と、フリーランスで働く方法があります。
本と言っても漫画や小説、ビジネス書など幅広いジャンルがあり、それぞれに求められるスキルも異なります。
映像翻訳
映像翻訳とは、映画やドラマなど映像作品を翻訳する仕事です。字幕用の翻訳と吹き替え用の翻訳があります。ただ翻訳するだけではなく、映像の時間の長さに合うように、文章の長さを調節するスキルも必要です。
翻訳は経験が浅くてもできる?
翻訳は専門職なので、興味があるけどできないと思っている方も多いかもしれません。
実は、経験が浅くてもできる求人があります。
英語から日本語に翻訳する求人なら、以下のようなものがあります。
[例1]会議資料の翻訳 |
翻訳の仕事に就くために必要な資格
永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者の配偶者のような「身分に基づく在留資格」は、どんな仕事でも働けます。
通訳・翻訳で働くためには、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が求められることが多いです。
【在留資格取得に必要な条件】
- 日本、もしくは海外の大学・大学院・短期大学を卒業した
- 日本の専門学校の卒業資格がある
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、日本、もしくは海外の大学・大学院・短期大学の卒業資格か日本の専門学校の卒業資格が必要になります。ただし、外国の大学や大学院、短期大学の場合は「日本の大学卒業に相当する」という証明書が必要です。
海外の専門学校は認められません。
学歴の条件を満たせない場合は、3~10年の実務経験が必要です。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
外国人が翻訳の仕事を探す方法
- ハローワークで求人を探す
- 求人サイトを利用する
- FacebookやLinkedInなどSNSで探す
- 企業や翻訳エージェントのWebサイトを確認する
日本ではハローワークで求人を探すこと、求人サイトを使うことが一般的です。
東京・大阪・名古屋・福岡には「外国人雇用サービスセンター」があります。
仕事の相談ができて、仕事を紹介してもらえます。
厚生労働省:都道府県労働局 ハローワーク
厚生労働省:外国人雇用サービスセンター一覧
日本の求人サイトの中には、外国人向けに多言語対応しているサイトもあります。
職種や勤務地で求人を探して応募が可能です。ハローワークに掲載されていない求人もたくさんあります。
JOB JOURNEYは日本に住む外国人向けの求人サイトです。 |
働きたい業界が決まっているなら、企業のWebサイトを見てみるのも良いでしょう。「採用情報」と書いているページに、募集情報が載っています。
最後に
翻訳は2つの言語を理解して表現するスキルだけではなく、翻訳するための専門知識も必要です。 そのため、経験やスキルがある方には多くの企業からオファーが来ることもあるでしょう。 一方で経験が浅くてもできる求人もあるので、今後日本で長く働くために経験を積んでいきたい方にもおすすめです。
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