日本の社会保障:外国人のためのガイド
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この記事では、日本の社会保障制度について説明します。
社会保険制度は複雑なので、必要最低限の情報だけを紹介しています。
これから日本で働きたい人にも、すでに日本で働いている人にも、役に立つ情報になるでしょう。
※2024年3月時点の情報をもとに作成
日本の社会保障制度について
社会保障制度とは、生活を支えるための制度です。
日本人だけではなく、外国人を含む日本に住むすべての人が制度の対象です。
日本の社会保障制度は、4つの制度で成り立っています。
社会保険
けがや病気、失業、出産などで生活が不安定になった時に、必要なお金やサービスが支給される制度です。
社会福祉
社会福祉は、高齢者や障がいを持った人、母子家庭で暮らす人が安心して生活できるようにするための制度です。
保育園や介護施設などの設置、子ども手当の支給などの福祉サービスがあります。
公的扶助(こうてきふじょ)
公的扶助とは、色んな事情で生活をすることが難しくなった人々の守るための制度です。
生活保護制度があります。
保健医療・公衆衛生(ほけんいりょう・こうしゅうえいせい)
病気を予防したり、食べ物の安全性を確認したり、人々の健康状態を保つための制度です。
健康診断、予防接種などのサービスがあります。
(出典:厚生労働省「厚生労働省 社会保障とは何か」)
社会保険について詳しく知ろう
社会保障制度の中でも、「社会保険」は外国人が日本で生活をする上でよく目にするものです。
日本に住んでいるすべての人が社会保険に加入し、保険料を支払う必要があります。
医療保険
医療保険は、病気やけがに備える保険です。
会社で働く人は、「健康保険」に加入します。保険料は毎月の給料から差し引かれます。会社があなたの保険料の半額を支払います。
会社に勤めていない人は、国の「国民健康保険」に加入し、保険料は全額負担します。(日本に住む留学生は、国民健康保険に加入します)
労働保険(労災保険・雇用保険)
労働保険は、仕事上の病気、けがや失業に備える保険です。
日本で働く人にとって大切な制度なので、このあとで詳しく説明します。
年金保険
年金保険は、年をとったときや障害を負ったときなどのために備える保険です。
会社に勤めているほとんどの人は「厚生年金」に加入し、保険料はお給料から差し引かれます。
会社があなたの厚生年金の半額を支払います。
会社に勤めていない人は、国の「国民年金」に加入し、保険料は全額負担します。
介護保険
介護保険とは、年をとって介護が必要になるときのために備える保険です。
40歳になると全員が介護保険に加入する必要があります。
65歳以上で介護が必要になったときに、サービスを受けることができます。
(出典:厚生労働省「社会保障とは何か」「年金制度の仕組みと考え方」)
労災保険と雇用保険について
社会保険の中でも、「労働保険」(労災保険・雇用保険)は働いている人にとって、大切です。
日本で働く外国人は、この制度についてよく理解しておきましょう。
労働保険は、労災保険と雇用保険の2種類の保険があります。
労災保険
会社の従業員が仕事中や通勤中にケガや病気をした場合に、医療費や休業中のお給料が支払われる制度です。
正社員、パート、アルバイトでも雇用形態に関係なく、全員が対象です。
保険料は会社が負担します。
雇用保険
失業した人や事情があって働き続けることが難しくなった人の生活を安定させ、再度就職ができるようにするための保険です。
一定の額のお金を受け取れます。
保険料は、会社と従業員で負担します。
従業員の負担分はお給料から差し引かれて会社が代わりに支払いを行います。
(出典:厚生労働省「労働保険とは」)
外国人が利用できる支援サービスについて
もし困った時や分からないことがあれば、下記のサービスを利用しましょう。
外国人労働者向け相談ダイヤル(厚生労働省) 労働条件について相談できます。英語、中国語、ポルトガル語など様々な言語で相談できます。 外国人生活支援ポータルサイト (出入国在留管理庁) 在留資格や税金の手続きなど、日本での生活に必要な情報があります。 |
最後に
日本の社会保障制度について理解できましたか?
日本にはさまざまな制度や仕組みがあり複雑に感じるかもしれません。
しかし、しっかりと理解し正しく利用することで、安定した生活ができるでしょう。
分からないことや困ったことがある場合は、外国人向けの支援サービスを活用しましょう。