外国人が知るべき日本の雇用形態
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日本にはさまざまな雇用形態があります。
働き始めてから、思っていたのと違うと困らないためにも、それぞれの雇用形態の違いを知っておいた方がいいでしょう。
日本の雇用形態
日本の雇用形態には、以下のようなものがあります。
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- パートタイム・アルバイト
- 業務委託
正社員
雇用契約:働く会社と直接結ぶ
雇用期間:無期
給与:月給制が多い
正社員のメリットは同じ職場で長く働けることや、昇格があることです。さらに、日本で家を借りたりローンを組んだりするとき、正社員だと審査がスムーズに通りやすくなります。
契約社員
雇用契約:働く会社と直接結ぶ
雇用期間:有期
給与:月給制が多い
契約社員は雇用期間が決まっています。6か月や1年契約の企業が多いです。
雇用期間は最長で3年なので、長く働きたい場合は、正社員の仕事を探す方が良いでしょう。
契約社員として働いている場合、上司や同僚からの評価が高い場合は、正社員にならないかとお誘いを受けることもあるかもしれません。
派遣社員
雇用契約:派遣会社と結ぶ
雇用期間:有期
給与:時給制が多い
派遣社員は雇用契約を結んだ会社とは別の企業で働きます。
派遣会社が職探しや就業後のサポートを行ってくれることがメリットです。
詳しくはこちら:派遣社員として働くメリット・デメリット
パート・アルバイト
雇用契約:働く会社と直接結ぶ
雇用期間:有期
給与:時給制が多い
パートやアルバイトは、働く時間は会社によって異なりますが、1日3~4時間から働ける職場やフルタイムの職場があります。
留学は原則として働けない在留資格ですが、週28時間まではアルバイトで働くことは可能です。
その他
近年は、フリーランスとして業務委託(請負)契約を結んで働く方も増えています。
業務委託契約とは、企業と「この仕事を請け負います」と個人で契約を結んで仕事をする働き方です。雇用契約は結びません。
自分が得意な仕事で自由に働けることがメリットですが、仕事が減ると、その分の収入が減ります。
出典:厚生労働省「さまざまな雇用形態」
日本独特の雇用についての考え方
日本では長い間、一度正社員として入社した会社に定年まで勤めることが一般的でした。(これを終身雇用と言います)
そのため少し前までは、転職へのハードルは高かったです。
今は、転職する人も多くなっています。
今でもあるのが、新卒採用です。
新卒採用は、企業が高校や大学を卒業したばかりの人を正社員として採用することです。
新卒の学生は、経験が無くても、興味がある業界や有名企業に入社ができるチャンスがあります。
新卒の就職活動について詳しく知る
外国人が日本で働く場合の注意点
就ける職種に制限がある
日本で働く場合、就労が可能な在留資格が必要です。就労が可能な在留資格には、「高度専門職1号」「技術・人文知識・国際業務」「医療」「研究」「特定技能」などの種類があります。
就労が可能な在留資格でも、取得した種類によって働ける仕事には制限があります。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」ならば通訳、翻訳、エンジニア、事務職などです。
在留資格で許されている仕事以外はできないので注意が必要です。
出典:出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
留学生がアルバイトをする場合
留学生は基本的には働けません。
資格外活動の申請をすれば、週28時間以内でアルバイトができます。
働ける業種には制限があります。パチンコ店やラウンジなどの風俗産業では働けません。
風俗産業は店内清掃やドライバーなどの仕事にも就けないので注意しましょう。
出典:厚生労働省東京労働局「外国人雇用に関するQ&A」
外国人が日本で仕事を探す方法
- ハローワークで求人を探す
- 求人サイトを利用する
- FacebookやLinkedInなどSNSで探す
- 企業のWebサイトを確認する
日本ではハローワークで求人を探すこと、求人サイトを使うことが一般的です。
東京・大阪・名古屋・福岡には「外国人雇用サービスセンター」があります。
仕事の相談ができて、仕事を紹介してもらえます。
厚生労働省:都道府県労働局 ハローワーク 、外国人雇用サービスセンター
日本の求人サイトの中には、外国人向けに多言語対応しているサイトもあります。
職種や勤務地で求人を探して応募が可能です。ハローワークに掲載されていない求人もたくさんあります。
企業のWebサイトを見てみるのも良いでしょう。「採用情報」と書いているページに、募集情報が載っています。
まとめ
日本では、正社員や契約社員、派遣社員など、さまざまな働き方があります。
どの雇用形態でも、労働法でしっかり働く人の権利が守られています。
急に退職させられる、明らかに日本人の社員より給与が安いといったことは違法です。
どのような働き方が、目標とするキャリアに合うのかを考えてからお仕事を探すことをおすすめします。