外国人が日本で運転するためのガイド:免許と交通ルール
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日本で生活をする外国人の中には、車を運転したい人も多いと思います。
しかし免許はどうしたらいいのかわからない人や、母国とは違う交通ルールが不安で、運転をあきらめている人も多いかもしれません。
この記事では、外国人が日本で運転するときに知っておくべき、免許の取り方や交通ルール、緊急時の対応方法などの大切なポイントを紹介します。
日本で運転をするとき、免許はどうすればいい?
日本で運転するときに必要な免許証
外国人が日本で車を運転するときは、(1)~(3)のどれかが必要です。
(1)日本の運転免許証
運転できる期間:有効期間内
(2)国際免許証
(道路交通についてのジュネーヴ条約に基づいて外国で発行されたもの)
運転できる期間:1年
有効期限は日本から離れてしまうと、数え方が変わります。
詳しくは下記のページで確認してください。
警察庁「国際運転免許証で運転できる期間」
(3)外国の運転免許証+大使館などが作成した日本語の翻訳文
運転できる期間:1年
※スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾のみ対象(2024年3月時点)
日本の運転免許を取る方法
日本の運転免許を取る方法は、2つあります。
1.日本の運転免許試験を受ける方法
運転免許センターなどで、次の3つの試験を受けます。
技能試験 |
運転方法をテストする |
学科試験 |
運転をするときに必要な知識を持っているかどうかをテストする |
適性試験(視力等) |
安全に運転ができるかどうかをテストする |
この3つの試験に合格すれば、運転免許を取ることができます。
試験合格するためには、自分で勉強をするか、自動車学校(指定自動車教習所)を卒業するかのどちらかです。
自動車学校を卒業すると、技能試験は受けなくても良いです。
そのため、日本ではほとんどの人が自動車学校に通っています。
2.外国の運転免許から日本の運転免許へ切り替える方法
外国で運転免許を取得して3ヶ月以上その国に滞在していた人は、日本の運転免許に切り替えることができます。
運転免許センターで申請をして、運転をすることに問題がないと認められれば、技能試験と学科試験は受けなくても良いとされています。
(出典:出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト 生活・就労ガイドブック 第9章 P98、外務省 海外教育・年金・保険・運転免許・犯罪被害、警察庁 外国の運転免許をお持ちの方)
日本の運転免許を取った後に注意すること
氏名や住所が変わったら変更手続きをする
氏名、住所などが変更になったときは、免許証の変更手続きが必要です。
手続きができる場所は、警察署、運転免許センター、運転免許試験場です。
免許証の有効期限の更新を忘れないこと
有効期限が近づくと、更新手続に必要なことが書かれた案内はがきが届きます。
更新手続きをしないと運転ができなくなるので、手続きの期限内に必ず行いましょう。
重要な連絡をきちんと受け取るために、郵便受けを定期的にチェックしましょう。
免許の停止や取り消しがあること
もし交通違反や事故を起こしたら、決められた点数がつきます。
過去3年間の合計点で、免許の停止や取り消しをされることがあります。
そのため、きちんと交通ルールを守って運転をしましょう。
(出典:出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト 生活・就労ガイドブック 第9章 P99)
日本で運転をするときの交通ルール
右ハンドル・左側通行
日本の車のハンドルは右側にあります。
また、道路では、進む方向に対して左側を走らなければなりません。
前に住んでいた国と違う場合は、混乱しないよう注意しましょう。
信号機の見方
信号は、左から緑色・黄色・赤色です。
しかし、緑色の信号は一般的に「青信号」と言われています。
青信号(緑色) |
進んでもよい |
黄信号 |
とまれ ※ただし停止線を超えている場合と安全に止まれない場合は進む |
赤信号 |
とまれ |
進んでもよいのは、青信号(緑色)になったときだけなので注意しましょう。
また、3色の下に緑色の矢印が表示される信号があります。
信号が赤色でも、矢印が表示されたら、その矢印の方向に進むことができます。
車に乗る人全員がシートベルトをつける
日本では、運転手だけでなく、車に乗っている人全員がシートベルトをつけることが義務付けられています。
高速道路だけでなく一般の道路でも、シートベルトをつけなければいけません。
飲酒運転をしない
日本では、飲酒運転はきびしく罰せられます。
大きな事故につながりますので、絶対にしてはいけません。
運転中に携帯電話を操作しない
運転中に携帯電話を操作することは禁止されています。
運転中はハンズフリー使って通話をするか、安全な場所に停車してから操作しましょう。
運転中にヘッドフォンをつけない
運転中にヘッドフォンやイヤホンをすることも禁止されています。
救急車やパトカーなどのサイレンが聞こえにくくなるからです。
周囲の音に集中して運転をしましょう。
(出典:警察庁 Traffic Bureau「To all foreigners driving in Japan」)
交通事故がおきたらどうする?
もし交通事故を起こしてしまったら、次のように対応しましょう。
1.車の運転をやめて停止する
すぐに車の運転をやめて停止しましょう。
他の車の邪魔にならないように注意しながら、道路の端や空き地などの安全な場所に車を移動させましょう。
2.救急と警察へ連絡する
もし自分を含めてケガをしている人がいたら、救急車を呼びましょう。(119番通報)
救急車が来るまでその人を動かさず、救急隊員の指示に従いましょう。
そしてケガ人がいなくても警察を呼ばなければなりません。(110番通報)
警察官が来たら、事故について説明しましょう。
3.病院へ行く
事故を起こした時にケガが軽いと思っていても、実は重かったというケースも少なくありません。
そのため、早めに病院へ行って診察を受けましょう。
4.交通事故証明書を申請する
保険など、さまざまな手続きを行うために「交通事故証明書」が必要です。
ただし、警察に事故の届出しないと証明書を手に入れられないので、必ず届出をしましょう。
自動車安全運転センターの窓口や、インターネットでも申請ができます。
自動車安全運転センター「各種証明書のご案内」
国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」
よくある事故の例
事故を起こさないように、よくある事故についても知っておきましょう。
- 左に曲がるときに、後ろから来た歩行者やバイクに当たってしまった
- 右に曲がったあと、対向車線を走ってしまった
- 右に曲がるとき、こちらに向かってくる車とぶつかった(交差点で右に曲がる時は、直進している車が優先です。通り過ぎるまで待ちましょう)
- 急な車線変更をして車とぶつかった(急な車線変更は禁止されています。また、交差点前にオレンジの車線が引いてあると、車線変更できません。)
(出典:警察庁 Traffic Bureau 「To all foreigners driving in Japan」)
最後に
日本で運転をするなら、まず運転免許が必要です。
運転免許を取ったら、ルールを守って、常にまわりに注意を払いながら運転してください。
正しいルールがわかっていたら、安全で楽しく運転ができます。
事故がないよう、気をつけてくださいね。
よくある質問
Q1. 日本の高速道路で運転をするとき、どのようなことに注意したらいいですか?
高速道路は有料です。料金所で支払いをします。
そのとき、現金で支払うかETCカードを使うかでレーンが違いますので注意しましょう。
また、速度制限を守ること、長い距離を運転するときは、きちんと休憩をすることが大切です。
Q2. 日本の都市部での運転はどのようになりますか?
日本の都市部は、車だけでなく歩行者や自転車の数が多いです。
また、狭い道路もたくさんあります。
そのため、十分に注意しながら運転をすることが大切です。
さらに、駐車場が見つかりにくいことがあります。事前に駐車できる場所を調べておくとよいでしょう。